続きを

友人のお兄さんは二年半前から自分が癌であることを自分自身で検査されてわかっていらしたそうです。

2回の手術を受け、診療後に抗がん剤を受け、抜けた髪を隠すため、オペ用の帽子をかぶって、にこやかに診察を続けられていたそうです。
身長182センチの恰幅のいい身も心も大きな方でした。
友人とお兄さんが棺の中で眠っていらっしゃる前で、いろいろな話をしていました。
そこへお母さんが来られてご挨拶をしたら、友人の口から信じられない言葉が
「お母さん、くる時ね、棺をね、葬儀屋さんが落としたのよ!!」
ご自宅から車に乗せる際、葬儀社から来られた二人の男性が運ばれて、落とされたと言うのです。
「今までずっと痛い思いをし、苦しい思いをしたお兄ちゃんを、これ以上痛い思いをさせないでくださいって言ったの。しかも車をのぞくと運転手さんはいねむりをしてたのよ。」
私は声も出ませんでした。
お母さんもあきらめ声で
「お兄ちゃんは大きいでしょ、だから身体が入らなくてね、足も少し斜めにして顔も少し起こしたようにして、ようやく入れたのよ。特大っていうのにしたんだけどねぇ。」
志の高い葬儀社の方々をたくさん知っていますから、そんな方ばかりではないんですよ、と心の中では叫んでいましたが、まだまだそういうレベルの葬儀がまかり通っている現実を目の当たりにした思いでした。
田舎町ではなく、そこそこの中規模の街ですが、それでもやはりまだ葬儀社を選んだり葬儀内容を相談したり出来る環境はなかなか整っていないのだなあと感じました。
だからこそ、そんな中で疑問や問題意識を持った人が現れて、自分で勉強会に出かけたり、新しい葬儀社を興されたり、様々な行動を起こしている方がたくさんいらっしゃるのですね。
葬儀の世界全体が、ご遺族の方にとってより近く、より優しく、より気高くあるために、私たちリフィンができること。
まだまだ山を登りはじめたばかりです。

コメント

  1. 私たちが今までにお目にかかったたくさんの葬儀関係者の方々は、本当に志が高い方ばかりでしたので、本当に残念で仕方ありませんでした。
    でも考えてみれば、今のままではいけない、と考え行動をされている方々だからこそ、私たちのような者がお話させてください、お力を貸してくださいとお願いしても、快く応じてくださったのですよね。
    一度全国的にとても大きな葬儀社の方との対談が目前となったとき、「私たちのような会社の名前や写真がそういうものに使われると影響がありすぎて困る」、ということでドタキャンされたことがありました。
    結局そのような旧体質をいつまでも引きずっていらっしゃるところなのでしょう。
    リフィンを着てくださる、リフィンに訪問してくださる方がたは、やはり人として資質の高い方なのだと、再認識しております。
    その方がたのためにも、一層私たちも勉強と努力を重ねていかなくては・・・・・
    今後ともよろしくお願いいたします。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

帰省

退職のお知らせ

卒業