ありがとう


 二十数年ぶりのお茶席。

学生の頃、娘と一緒にどう?と幼馴染のお母さんがお茶を教えて下さって、大学生になっても初釜などにも呼んでいただいたりして

お嫁に行くときに、「お茶席に呼ばれることもあるだろうから」と父が訪問着だけでなく、幾つか着物を持たせてくれたんです。

とはいえ、実際のところお茶席に呼ばれる機会もなく^^;呼ばれてても仕事やら子育てやら、週末は病院通いや野球やら・・・・・着物そのものを着る機会も七五三くらい。

そんな私にようやくお茶席に行ける機会が訪れたのです。教えて下さっていた幼馴染のご両親が中心となって、10ヶ寺にて各流派のお茶席が設けられるというのです。

まだしつけ糸の付いたままの単衣の着物。札の付いたままの帯締め。シワの付いていない帯揚げ。

ようやく父が用意してくれた着物たちの出番です。

仲良しのママ友に着付けてもらい、それじゃ、入らないわね、とバッグも貸してもらい

懐かしい地元のお寺に辿り着くと、早速幼馴染が私を見つけてくれました。

10代の箸が転んでも可笑しかったあの頃、厳粛なお茶室で繰り広げられる数々のお茶席ならではのやり取りに、2人していつも可笑しさをかみ殺しては

水屋で、そのやり取りを真似したりしてまた笑ったりしていましたが

あの独特のやり取りも、この齢になると、可笑しいんですけど(失礼!!)ちょっと解るというか、それもまた大人のたしなみなのね、というかうんうん、そうだよね、ってそれを含めて楽しめて

お道具の説明も、なるほど、そういう趣向を凝らしているのかと、そういう由来があるのかと、頷けるようになっている自分がいて

なみなみ残ったお濃茶も、しっかりと最後までズッ!!と飲めた自分の、ちゃんと残っていた記憶に心でガッツポーズ。

亭主である先生でもあり幼馴染のお母さんが本当にお元気で、変わらぬ口調でおもてなしをされている様子が、嬉しくて懐かしくて、ずっとニコニコしていました。

学生時代にちょっとかじらせてもらっただけではありますが、やっぱり若い時に少しでもこういう世界を教えてもらっていたことは、本当に有り難かったと、今になって思います。

そしてまた、こうやって招いていただいて、父が持たせてくれた着物にも袖を通せて、こういうのも親孝行っていうんだろうね、ようやく着たよ、なんて話しかけたりして

いろんな意味で私にとって、記念すべき一日になったような気がします。

当時一緒に習っていたおば様方も昔通り下の名前で、何度も何度も呼んでくださって、嬉しい記念写真も撮れました。

皆さん本当にありがとう。父さんもありがとう。皆さんがお元気なうちに、もっともっと習っておきたいことが山のようにあります。聞いておきたいことも山のようにあります。

だから、また行きますね^^必ず!!ようやく私にも、そんな時間がきたなんて、本当に感謝です。






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