会館にて

何日か前からお医者様より心の準備をしておいてくださいと言われていましたので、地元の知り合いの葬儀社様に事前に相談していました。

皆様にはお知らせせず、家族だけで送りたいという意向もはじめから伝えておりました。
病院からそのまま会館へ。
30日ということもあってか会館は静かで、他のご遺族の方もいらっしゃいませんでした。
どこからかしら情報が漏れて、後々が大変になるのでは、ということを非常に懸念されておりましたが、年末ということが幸いしてか、一切問い合わせも無く、最後まで静かに過ごすことができました。
祭壇を使わず、お花をたくさん使いたい意向を伝えてありましたので、パソコンで打出したイメージ画を見せてくださりながら、「実はこのような家族葬は初めてなのです」とお話くださいました。
棺も家族葬でしたら、やはり小窓が付いている従来のようなものではなく、一体感があるように上半身が見えるような、アクリルのケースで半分覆われた家具調のものがいいのでは、と提案してくださいました。
諸々の時間決めや一礼の品や、礼状の文章の確認、料理や人数の確認などの打ち合わせ後、司会を担当してくださる方が来られました。
若い男性の方でした。
線が細く、とても柔らかい物腰の方でしたので、ちょっとホッとしました。
女性を送るのに、あまりゴツゴツしたイメージではなんだか・・・
やはり、優しさとやわらかい空気があれば、少しでも癒されます。
今まで、何件もの会館や葬儀社様を訪問させていただいたことがありましたが、遺族として会館を訪れると、やはりまた違った印象です。
正直、こんなに立派な会館で至れり尽くせりですごいなぁ、維持管理が大変だろうなぁ、ここまで必要なのかしら、なんて思ったこともありましたが、やはり最期送り出すときに、新しい畳のきれいな部屋に寝かせてあげれて、立派な建物から送り出せるということは、ひとつの親孝行ができたと感じる人もいるだろうなと思いました。
でもきっとそれは自己満足に過ぎないのであって、故人は住み慣れた家から出たかったかもしれないし、自分の布団に最期寝かせて欲しかったかもしれない・・・・
難しいところですね。
さて色々な確認や、各方面への連絡後、まだ誰も朝食をとっていないので買出しに。
こんな時、お茶は部屋に準備されていましたが、お疲れでしょうとおにぎりを・・・
なんて差し入れてくださったら、どんなにありがたかったか。
勝手な言い分ですね。
でも一番に思ったことは、いざという時、買出しなど自由に動ける人がいたら・・・でしたので。
私たちは弔問に来られる方がいなかったので、買い物に出たり家に帰って様々な準備が出来ましたが、弔問客が次々と来られていたら、自由に動くことができなかっただろうなぁ、と。
長くなりますので、続きはまた明日に。

コメント

  1. とても真剣に読ませていただいております。
    ご遺族の立場、そして葬儀社様を他の方よりもご理解しているチーフ様だけに率直に感じた事をご記載いただきたいと思っています。
    司会者に関しましてもお気づきの点を・・・どうぞアドバイスをお願いしますね。
    痒いところに手が届く・・大切なことですね。毎日多くの事を経験している葬儀社様ならではの事ですね。正直、こんな事をと思っていても行動に移せなくて歯がゆい思いをすることも多いのが現実です。しかし・・明日は分からないのが私のいのち。であるならば後悔しないように毎日を真剣にもっと取り組まなければ申し訳ないですよね。
    チーフ様のお話をもっとお聞かせ下さいね。ご遺族として・・・。
    ここにチーフ様の経験を無駄にしたくないと思ってる内の一人です。

    返信削除
  2. hayu様
    ありがとうございます。
    お義母さんには本当に申し訳ないのですが、悲しみの気持ちでありながらも、どこか冷静にこの機会を借りてあちこち目を配り、何か活かせることはないかとしている自分が時々いて、なんてひどい嫁だろう、と自己嫌悪に陥ったりしています。
    一人として同じ人生が無いように、葬儀も一人として同じものは無いと思います。
    私の経験に必ずしも共感してくださるわけではないと思いますが、何かのきっかけになったり、少しでもお役に立てたら・・・・
    こうして真剣に読んでくださっている方がいることに、励まされ、今日もPCに向かいます。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

帰省

退職のお知らせ

卒業