パリのお葬式

今日付けの流通新聞にフランスの最近の葬儀について記事がありました。

フランス人の8割がキリスト教会でお葬式を行うそうですが、式の中身は似たり寄ったり。
そんな中、本人の個性を尊重したお葬式を提案するパリの葬儀ビジネス会社
『L'AUTRE RIVE』(ロートル・リヴ、向こう岸という意味)が話題だそうです。
遺族とじっくり話をして故人の人となりをよく理解した上で、遺族と一緒に葬式を作り上げる、とまさに今の日本の新しい流れと同じですよね。
棺は好みの色や花で装飾できる、というのも日本と同じですが、でもフランスらしいな、と思うのが真っ白な棺に遺族が絵を描くというんです。
素敵だな、と思いませんか。
3時間ほどかけて家族が一緒に装飾することによって、悲しみが癒される、心理的な効果もあるそうです。
なんだか分かるような気がします。
故人のために、今さら何もしてあげることが出来ないもどかしさや、やるせなさが絵を描くとか、何でもいいんです、故人のために何か自分がする、それだけで残されたものは救われるんだと思うのです。
葬儀社の人が何でもしてしまうのではなく、自分たちが故人のために何かしてあげることがあれば、とても気持ちが落ち着いてくるように思います。
お線香の番をすることもその一つなのかもしれませんね。
葬儀にかかわらず、どんな時でもどんな人でも、自分の役目があることは、自分の存在価値があると感じられることは、大切なことですから・・・・
本人が好きだった音楽が流れ、参列者は全員カラフルな服装、本人が準備したおいしいワインを飲むなんて、型にはまらないフランス流の新しい葬儀。
でも、これだけ死について自分らしさを求めることができるというのは、平和であるということ、豊かであること、ともいえるのですよね。

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